取扱説明書が見つからないときは型番からPDFを拾う|NotebookLMで聞ける説明書を作る

うちの電気ポットは、説明書がそもそも家にありませんでした。
古いものなので、買ったときの紙がどこかへ消えたのか、最初から取っていなかったのか、それすら分かりません。

洗濯機に見慣れない表示が出たときも同じです。
あの説明書どこいったっけ、から始まって、結局スマホで検索して、出てくるのはうちとは違う型番の記事だったりします。

この記事では、家じゅうの取扱説明書を1か所に入れて、日本語で聞けば答えが返ってくる状態を作ります。
手元に説明書が残っていなくても大丈夫です。
本体に貼ってある型番から、メーカーのサイトにあるPDFを拾ってこられます。

この記事でできるようになること

  • 入れておいた説明書に、「このエラーどうするんだっけ」と日本語で聞けるようになる
  • 答えが説明書のどこに書いてあったか、出典まで表示される
  • 説明書が手元に無い機械も、型番からPDFを拾って入れられる
  • 家族の誰でも同じように聞けるので、自分が聞かれる係を降りられる

使うのはNotebookLMです。
Googleのアカウントがあれば、無料の範囲で足ります。

ひとつ先にお断りしておきます。
この道具の正式な名前は「Gemini Notebook」に変わりました。
画面にもそちらの名前で出てくることがありますが、同じものです。
この記事では、まだ通りがいい「NotebookLM」のほうで書いていきます。

NotebookLMそのものが初めての方は、NotebookLMの使い方|無料でどこまでできるかを初心者向けに解説を先に読んでください。

用意するもの

  • NotebookLM(Googleのアカウントでログインします)
  • 入れたい機械の説明書。紙が無くても大丈夫です。手順3で拾ってきます
  • 本体に貼ってある型番が読めること。説明書が無い機械だけ必要です

手順1|入れ物を1つ作って、名前を付ける

NotebookLMで新しいノートブックを作り、名前を「家の説明書」に変えた画面

NotebookLMを開いて、新しいノートブックを1つ作ります。
名前は「家の説明書」にしてください。

ここが地味に大事なところです。
ノートブックを作っただけだと、あとで自分でも何の入れ物か分からなくなります。
「家の説明書」と名前が付いていれば、次に家電を買ったときも、ここに足せばいいと迷いません。

職場でやるなら「現場の説明書」にしてください。
やることは同じで、入れるものが業務用の機械に変わるだけです。

手順2|手元にある説明書を入れる

NotebookLMの「ソースを追加」から「ファイルをアップロード」を選ぶ画面

紙の説明書が残っているものは、写真を撮って入れます。
メーカーのサイトにPDFが置いてあるなら、そちらのほうが早くてきれいです。

ここで1つだけ、やらないでほしいことがあります。
家じゅうの説明書を全部そろえてから始めよう、と思わないでください。
そう思った時点で、たいてい終わります。

よく困るものを1つか2つ入れれば、それで十分に役に立ちます。
うちの場合は洗濯機と炊飯器でした。
炊飯器は予約の時間設定を毎回忘れますし、洗濯機は表示が出たときにいちばん困ります。

手順3|説明書が手元に無いときは、型番からPDFを拾う

ここがこの記事のいちばん大事なところです。
説明書の使い方を書いた記事はたくさんありますが、そもそも説明書が家に無い、という話はあまり書かれていません。
実際にはここで止まる人がいちばん多いはずです。

結論から言うと、たいていの説明書はメーカーのサイトにPDFで置いてあります。
必要なのは、本体に貼ってある型番だけです。

型番シールは、機械ごとに貼ってある場所が違う

うちの家電を、実際に1台ずつ見て回りました。
探す場所の見当が付くだけで、ずいぶん早くなります。

  • ドラム式洗濯機(パナソニック NA-VX85E8L):扉を開け閉めするところの上、操作パネルの左
  • 電気ポット(KOM KTK-300):本体の底
  • エアコン(日立 RAS-G36D):本体の下側
  • ウォーターオーブン ヘルシオ(シャープ AX-LSX3B-B):本体の右側

共通しているのは、ふだん目に入らない面にある、ということです。
正面をいくら見ても見つかりません。
扉の内側、底、背面、側面。
この順に見ていけば、たいてい出てきます。

底に貼ってあるものは、持ち上げて覗き込むより、スマホのカメラを下に向けて撮ったほうが早いです。
電気ポットは実際そうしました。
薄くて読みにくいシールも、写真にして拡大すれば読めます。

シールのどれが型番なのかを見分ける

シールには数字がいくつも並んでいて、どれを使えばいいのか分かりにくいです。
使うのは製品の型番で、アルファベットと数字がハイフンでつながったものです。

うちのエアコンのシールには「型式 RAS-G36D(W)」と大きく書いてあり、その少し下に「製造番号 000654」とあります。
使うのは型式のほうです。
ヘルシオも同じで、「AX-LSX3B-B」が型番、「製造番号 54015289」は使いません。
製造番号は、その1台だけに付いた番号なので、検索しても何も出てきません。

電気ポットのように、型式とも品番とも書いていないシールもあります。
うちのものは「(株)KOM」「AC100V 50/60Hz 800W」「KTK-300」と並んでいるだけでした。
この場合、アルファベットと数字がハイフンでつながった「KTK-300」が型番です。
電圧やワット数は型番ではありません。

読み間違いと、末尾の記号

間違えやすいのは、数字の0とアルファベットのO、数字の1とアルファベットのIです。
検索して1件も出てこないときは、まずここを疑ってください。

もう1つ、型番の末尾に付く記号があります。
うちの洗濯機の「NA-VX85E8L」は最後のLが扉の開く向き、エアコンの「RAS-G36D(W)」のWとヘルシオの「AX-LSX3B-B」の最後のBは本体の色を表しています。
説明書はこの違いに関係なく共通のことが多いので、うまく出てこないときは末尾を削って検索してみてください。

メーカーのサイトでPDFを探す

検索する言葉は、型番と取扱説明書を並べるだけで足ります。
メーカー名まで入れると、なお確実です。

〔メーカー名〕 〔型番〕 取扱説明書

メーカーのサイトから入る場合は、サポート、お客様サポート、ダウンロードといった名前のページを探してください。
そこに型番を入れる欄があります。

大手メーカーのものは、ほぼ確実に見つかります。
パナソニック、日立、シャープは、いま挙げた3台とも問題なく出てきました。

意外だったのは電気ポットのほうです。
名前を知らないメーカーだったので、これは無理だろうと思っていました。
ところが「KTK-300」で検索したら、メーカーのサポートサイトに説明書のPDFがちゃんと置いてありました。
聞いたことのないメーカーでも、まず一度は型番で検索してみてください。

気を付けたいのは、検索結果の上のほうに、メーカーではない説明書まとめサイトや通販サイトが並ぶことです。
そちらでも見られることはありますが、古い版だったり、似た別の型番だったりします。
アドレスがメーカーのものかどうかを一度見てから開いてください。

PDFが見つかったら、ダウンロードして、手順1で作った「家の説明書」に入れます。
これで、捨ててしまった説明書が戻ってきます。

それでも見つからないとき

  • 型番をもう一度、1文字ずつ声に出して確かめる。ここが原因のことがいちばん多いです
  • 末尾の記号を削って、短くした型番で検索し直す
  • 型番ではなく、製品の名前で検索してみる
  • それでも無ければ、その機械はいったん飛ばす。全部そろえるのが目的ではありません

手順4|日本語で聞く

読み込みが終わったら、あとは聞くだけです。
そのまま貼って使えるものを3つ置いておきます。
〔 〕の中を、自分の機械に置き換えてください。

1つ目|掃除の頻度とやり方を聞く

〔機械の名前〕の掃除は、どこを、どのくらいの頻度でやればいいですか。
やり方も順番どおりに教えてください。

2つ目|エラー表示の意味を調べる

〔機械の名前〕に〔エラー表示〕が出たときは、どうすればいいですか。

この2つ目が、いちばんありがたみを感じるところだと思います。
あの記号の意味は、説明書の後ろのほうの表にしか載っていなくて、紙で探すと本当に面倒です。
〔エラー表示〕のところには、画面に出ている記号や番号をそのまま入れてください。
「E5」や「H2」のような表示です。

3つ目|貼れる紙にする

いま入っている説明書をもとに、
はじめて触る人でも分かるように、〔機械の名前〕の〔知りたいこと〕の手順だけをA4一枚にまとめてください。
やさしい言葉で、箇条書きでお願いします。

〔知りたいこと〕には、お手入れ、フィルター掃除、予約の時間設定、エラーが出たときの対処、といった言葉を入れます。

出典は、必ず1回押してみてください

答えが返ってきたら、その下に出典が付いています。
ここを押すと、入れた説明書のその部分に飛びます。

これが検索との決定的な違いです。
ネットのどこかの記事ではなく、うちの機種の説明書から答えているので、型番違いの情報にふりまわされません。
怪しいと思ったら、その場で原本を確かめられます。

A4一枚にして貼る。そして家族に渡す

3つ目のプロンプトで作った紙を印刷して、洗濯機の横に貼っておきます。
それだけで、聞かれる回数がはっきり減ります。

もう一歩進めるなら、「家の説明書」そのものを家族に共有してください。
貼り紙が無いものは、各自で聞いてもらえます。
妻でも子どもでも、同じ答えが返ります。

説明書を1か所にまとめる本当の効果は、探す時間が減ることよりも、こちらかもしれません。
家の機械のことを、自分ひとりが覚えておかなくてよくなります。

職場でやるなら「現場の説明書」

やり方はまったく同じで、名前を「現場の説明書」に変えるだけです。
入れるのは、業務用の機械の説明書になります。

職場のほうが、効果は分かりやすいと思います。
使い方が分かる人を探しに行って、その人が休みだったらそこで止まる。
この止まり方が無くなります。

ただし、会社で使う場合は先に決めておくことがあります。
あとの注意点にまとめました。

つまずいたときは

  • 説明書がメーカーのサイトに見つからない。まず型番の読み間違いを疑ってください。数字とアルファベットを1文字ずつ確かめます
  • 答えが説明書と違う気がする。出典を押して、元の文を自分の目で読んでください。要約より原本が正しいです
  • 3つ目の紙が長くなりすぎる。「A4一枚に収まるように短くしてください」ともう一度送ります
  • 思ったとおりに出てこない。同じ文をもう一度送ってみてください。答えは毎回少し変わります

入れる説明書が増えてきたら、NotebookLMのソース上限は50個|画像をPDFにまとめて1個に減らすもあわせてどうぞ。

やってはいけないこと

安全に関わることは、AIの答えだけで判断しないでください。
ガス、電気、火まわり。
このあたりは、必ず説明書の原本を自分の目で確認してください。
要約は便利ですが、事故につながる部分を要約にまかせてはいけません。

機械を買い替えたら、入れてある説明書も入れ替えてください。
古い説明書からは、古い答えが返ります。
当たり前の話ですが、いちばん忘れます。

会社で使うなら、誰のアカウントで作るか、どこまでの人が見られるかを先に決めてください。
社外秘が入る場所になります。
家で使うぶんには気にしなくて大丈夫です。

利用者名や患者名、住所、電話番号など、個人が特定できる情報は入れないでください。
入れるのは、機械の説明書だけで足ります。

今日やることは、1つだけ

「家の説明書」という入れ物を作って、説明書を1つ入れて、何か1つ聞いてみてください。
いちばんよく困る機械が向いています。

入れるところまでで3分ほどです。
あとは日本語で聞くだけなので、覚えることはありません。

説明書は、探すものから、聞くものになります。

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持原孝介

この記事を書いた人:(Jacky Web Works)
介護福祉士として高齢者福祉の現場に11年。今は宮崎で生成AIの活用支援とホームページ制作をしています。