学校・教育現場でのAI活用:先生の負担を減らす使い方

先生の仕事は、授業だけではありません。

学習指導・学級経営・保護者対応・部活動・各種会議・提出物の確認・通知文の作成——書き出すとキリがないほどの業務が日常的に積み重なっています。

文部科学省のデータでも、教員の長時間労働は長年の課題です。授業の質を上げたくても、事務作業に追われて時間がないという先生は多い。

AIはその「授業以外の事務作業」を減らすことに、実際に役立ちます。

僕は五ヶ瀬町の教育委員会からご依頼をいただき、教頭会でAI活用研修を行いました。その経験を踏まえて、教育現場でそのまま使えるアイデアをまとめます。

活用例1:保護者向け通知文・学級通信の下書き

「保護者向けの通知文を書く」という作業は、頻度が高い割に時間がかかります。運動会・遠足・個人面談・インフルエンザ対応——毎回ゼロから書いていると積み重なります。

ChatGPTに内容を伝えるだけで、通知文の下書きが出てきます。

使い方の例

小学校の保護者向けに、運動会についてのお知らせ文を作成してください。
日時:〇月〇日(〇)9時〜
場所:校庭
雨天の場合:翌日に順延
持ち物:弁当・水筒・帽子・敷物
丁寧かつ読みやすい文体でお願いします。

数秒で下書きが出てきます。確認・修正して使うだけです。学級通信のテーマを与えれば、本文の骨格も作ってくれます。

活用例2:会議の議事録作成

職員会議・学年会議・保護者説明会——学校でも会議の数は多く、議事録作成が負担になっているケースがあります。

スマホで録音し、文字起こしした後にChatGPTで整理するフローで、議事録作成の手間が大幅に減ります。「ChatGPTで議事録を5分で作る方法」の記事でその手順を詳しく解説しています。

活用例3:授業案・ワークシートの素材作成

授業の展開案を考えるとき、AIをブレインストーミングの相手として使えます。

小学5年生の社会科「米作りの仕事」の授業で、
子どもたちが主体的に考えられるような問いを5つ作ってください。

このような指示で、授業展開のヒントが出てきます。そのまま使うのではなく「たたき台」として使うのが適切な使い方です。

ワークシートの穴埋め問題や発展問題の素材作成にも活用できます。ゼロから考えるより早く、かつアイデアの幅が広がります。

活用例4:文章の添削・校正

通知文・報告書・研究レポートなどの文章を貼り付けて「誤字・脱字・不自然な表現を修正して」と指示するだけで、校正をしてくれます。

自分では気づかなかったミスや、読みにくい文章の改善点を指摘してくれるので、文書の品質が上がります。

活用例5:保護者からの問い合わせへの返信下書き

保護者からのメール・手紙への返信は、内容によって慎重な言葉選びが必要で、時間がかかりがちです。

対応内容を箇条書きでChatGPTに伝え、「保護者向けの丁寧な返信文を作って」と指示することで、返信文の下書きが作れます。特にデリケートな案件では、感情的にならずに落ち着いたトーンで書かれた文章が役立ちます。

注意点:個人情報は入力しない

児童・生徒の氏名・住所・成績・家庭の事情など、個人情報をChatGPTに入力しないことが大前提です。

通知文であれば個人名を使わず内容だけを入力する、議事録であれば特定の子の名前を出さずに作業内容だけを入力する、といった使い方が現実的です。

学校・教育委員会として利用方針を決めておくと、先生たちが安心して使えるようになります。

教育委員会・校長先生へ

「学校でのAI活用についてどう考えればいいか分からない」という管理職・教育委員会の方にも、研修やご相談を承っています。

「禁止するか認めるか」の二択ではなく、「どう使えば先生と子どものためになるか」を一緒に考える場を作ることが大切だと思っています。

五ヶ瀬町での研修経験をもとに、現場に合った形でご提案します。

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まとめ

教育現場でAIが活かせる主な場面:

  • 保護者向け通知文・学級通信の下書き
  • 会議の議事録作成
  • 授業案・ワークシート素材のブレインストーミング
  • 文章の校正・添削
  • 保護者への返信文の下書き

先生が本来集中すべき「授業」と「子どもたちとの関わり」に使える時間を増やすための道具として、AIを活用してほしいと思っています。