「DX、うちには関係ない」と思っていませんか?
「DXって最近よく聞くけど、うちみたいな小さい会社には関係ないでしょ」
そう感じている経営者の方、多いのではないでしょうか。
実は、宮崎県が実施した調査によると、県内事業者の55%がすでにデジタル化に取り組んでいるそうです。
一方で「何から始めればいいか分からない」という声が最も多い課題として挙がっています。
僕は元介護福祉士として11年間現場で働き、現在はフリーランスのWeb制作者としてAI研修の講師も務めています。
これまでに宮崎市介護支援専門員連絡協議会様や、五ヶ瀬町教頭会様でAI活用研修を実施してきました。
実際に研修で参加者の方々と接してきた中で感じたのは、「DXは大企業だけのものではない」ということ。
むしろ小さな会社ほど、小さな工夫1つで業務が大きく変わる可能性がある。
この記事では、宮崎の中小企業の経営者の方に向けて、お金をかけずにできるDXの最初の1歩をお伝えします。
DXが進まない3つの壁
DXという言葉は知っていても、実際に動き出せない。
その背景には、多くの中小企業に共通する「3つの壁」があります。
壁1. IT人材がいない
社内にパソコンに詳しい人がいない。
いたとしても、日々の業務に追われていてDXどころではない。
宮崎県の調査でも「人材の育成や確保」が課題のトップに挙げられています。
これは宮崎に限った話ではありませんが、地方になるほどITに精通した人材は少なくなる傾向があります。
壁2. 何から手をつければいいか分からない
「DX」という言葉が大きすぎて、具体的に何をすれば良いのかイメージが湧かない。
「基幹システムを入れ替える」とか「AIを全社導入する」とか、そんな大掛かりなことを想像してしまって、最初の一歩が出ない。
壁3. 高額なシステムを提案されるのでは
「IT企業に相談したら、何百万円もするシステムを売り込まれるのでは」
こういう不安もよく聞きます。
実際、宮崎県ではDX関連の補助金や無料相談窓口も整備されているのですが、そもそもその情報にたどり着けていない方も少なくありません。
これらの壁は、どれも「正しい情報がないこと」が原因です。
裏を返せば、正しい情報さえあれば乗り越えられる壁ばかりとも言えます。
DXの「最初の1歩」は、紙をなくすことじゃない
ここで1つ大事なことをお伝えしたいのですが、DXの最初の1歩は「紙をなくすこと」でも「高いシステムを入れること」でもありません。
DXの本質は「デジタル技術を使って、仕事のやり方を少しだけ変えること」です。
でも最初の1歩は、もっとシンプル。
「今、困っていることを1つ見つける」
これだけです。
たとえば。
- 毎月の請求書作成に丸3日かかっている
- 会議の議事録を誰も書きたがらない
- お客様からの予約を電話で1件ずつ受けている
- 日報を手書きで書いて、誰も読まないまま棚に積まれている
こういった「困りごと」は、どの会社にも1つはあるはずです。
まずはそこを言葉にするところから始めてみてください。
0円から始められる具体的なDXアクション3選
「困りごとは分かった。でも具体的にどうすれば?」
ここからは、実際に宮崎の中小企業でも取り入れやすい、お金をかけずに始められるアクションを3つ紹介します。
アクション1. 紙の申請書をGoogleフォームに変える
社内の勤怠報告や日報、備品の発注申請。
紙で回しているものがあれば、Googleフォームに置き換えるだけで劇的に変わります。
費用は0円。
Googleアカウントがあれば、誰でもすぐに作れます。
たとえば建設業の方なら、毎日の作業日報をGoogleフォームに変えるだけで、提出・集計の手間が大幅に減ります。
スマホからでも入力できるので、現場から直接報告ができる。
「紙に書いて、事務所に戻って、それをまた集計して…」という手間がなくなるだけでも、1日30分以上は浮くのではないでしょうか。
アクション2. AIで議事録を一瞬で作る
これは僕が研修で実際にデモをすると、一番反応が大きいアクションです。
宮崎市介護支援専門員連絡協議会様での研修でも、五ヶ瀬町教育委員会様での研修でも、ChatGPTを使って議事録を作るデモを見せた瞬間、会場の空気が変わりました。
参加者の多くは、AIの名前は聞いたことがあるけど使い方が分からない、という方がほとんど。
でも「AIはすごいらしい」という漠然とした期待は持っている。
そこで実際に、録音した音声をテキスト化して、ChatGPTに「この内容を議事録にまとめて」と指示すると、ものの数十秒で整った議事録が出てくる。
このとき特に印象的だったのは、管理職の方が「これ、俺いらないじゃないか」とつぶやいた場面です。
もちろん、そんなことはありません。
AIが得意なのは「作業」であって、「判断」ではない。
むしろ、議事録作成のような作業時間が減ることで、判断や意思決定という本来やるべき仕事に集中できるようになる。
そう説明すると、「なるほど、そういうことか」と納得されていました。
ChatGPTは無料でも使えますし、有料プランでも月3,000円程度。
まずは1回の会議で試してみてください。
アクション3. LINE公式アカウントでお知らせ・予約を自動化する
飲食店、美容室、整骨院など、予約制のサービスを提供している事業者の方にはLINE公式アカウントの活用がおすすめです。
お客様がLINEで予約できるようになれば、電話対応の時間が減ります。
キャンペーンや休業のお知らせも、一斉配信で簡単に届けられる。
LINE公式アカウントの開設は無料。
月200通までのメッセージ配信も無料で使えます。
宮崎のような地域では、お客様との距離が近いからこそ、LINEという身近なツールとの相性が良い。
「電話より楽」「LINEなら気軽に連絡できる」というお客様の声は、導入した事業者からよく聞く感想です。
宮崎でDXの相談ができる場所
「自分だけでやるのは不安」「誰かに相談したい」
そう思った方に向けて、宮崎県内でDXの相談ができる窓口を紹介します。
産業DXサポートセンター(宮崎県)
宮崎県が設置したDX推進の相談窓口、産業DXサポートセンターです。
無料で相談でき、DX戦略の策定から具体的なツール導入まで幅広くサポートしてくれます。
「何から始めればいいか分からない」という段階でも、気軽に相談できるのが特徴です。
商工会・商工会議所
地元の商工会にもIT導入支援の相談窓口があります。
補助金(IT導入補助金など)の申請サポートも受けられるので、費用面の不安がある方はまず相談してみるのも良いかもしれません。
フリーランスの専門家に相談する
大手のIT企業に依頼すると費用が高くなりがちですが、地元のフリーランスに相談するという選択肢もあります。
僕自身も、Web制作やAI活用のサポートを行っています。
介護福祉士として11年間現場で働いた経験があるので、「ITに詳しくない現場」の気持ちは誰よりも分かるつもりです。
「こんな初歩的なこと聞いていいのかな」と思うようなことでも、気軽にご相談ください。
まとめ:最初の1歩は「困りごとを言葉にする」こと
DXと聞くと、どうしても大きなシステム導入やAIの全社展開をイメージしてしまいがちです。
でも実際の最初の1歩は、もっと身近なところにあります。
- 今の業務で「面倒だな」と感じていることを1つ見つける
- それを解決するツールがないか調べてみる(Googleフォーム、ChatGPT、LINEなど)
- まずは1回だけ試してみる
これだけで十分です。
宮崎には、県の産業DXサポートセンターや商工会など、無料で相談できる窓口もあります。
1人で考え込まず、まずは身近な「困りごと」を言葉にするところから始めてみてください。
「何から始めればいいか分からない」
その状態でも大丈夫です。
気軽にご相談ください。