
最近のAIって、「質問に答える」だけじゃなくなってきました。
メールを見て、資料を探して、下書きを作って、必要なら関係者に送る。
こういう仕事の流れそのものを動かすAIが、いまの主役になりつつあります。
その流れの中で注目されているのが、GoogleのGoogle Opal(オパール)です。
ひとことで言うと、Google Workspaceの中で動く「仕事自動化ミニアプリ(AIエージェント)」を、ノーコードで作れる仕組み。
「アプリを作る」と聞くと身構えますよね。
でもOpalは、DriveやGmail、カレンダー、スプレッドシートなど、普段使っているGoogleの道具とつながりやすい前提で作られているので、社内向けの自動化が作りやすいイメージです。
1. Google Opalの正体:AIエージェントを作る社内向けの土台
Opalは、プログラミングをせずにAIエージェントを作るためのプラットフォームです。
AIエージェントは、ざっくり言うと「目的を渡すと、必要な作業を自分で進める仮想の部下」みたいな存在。
たとえば、次のような流れをまとめて任せられる発想です。
- メールが来たら内容を整理する
- 関連資料をDriveから探す
- 返信文の下書きを作る
- 必要なら予定調整まで進める
2. なにが便利?Opalが強い4つのポイント
① 文字だけじゃない(画像・音声・動画・PDFも扱える)
会議の録画、PDFの資料、スクショ、音声メモ。業務データって、文字だけじゃないですよね。
Opalは、そういったデータも材料として扱えるので、「会議録画→決定事項を抽出→タスク化→関係者に共有」みたいな流れが現実的になります。
② 外の最新情報(検索)+社内資料(Drive)を一緒に使える
外の最新情報(検索)だけ見ても弱いし、社内の過去資料(Drive)だけ見ても足りない。
仕事って、この両方が必要な場面が多いです。
たとえば「競合の最新情報を調べつつ、過去の提案書と比べて、次の提案の方向性を考える」みたいなケース。
Opalはこういう両にらみがしやすい方向性です。
③ アクセスできる範囲のまま動く(社内運用で安心しやすい)
社内ツールでいちばん怖いのは「誰がどの情報を見たのか分からない」状態です。
Opalは、基本的にGoogleアカウントの権限をベースに動くので、見える人だけが見える状態を保ちやすいのがポイントです。
④ 手順を細かく書かなくても、AIが手順を組み立てて動く
ワークフロー系ツールって、手順を細かく作るのが大変だったりします。
Opalは「ゴール」を渡すと、AIが必要な手順を考えて動く発想です。
たとえば「今月の経費精算の不備を見つけて、対象者に修正依頼して」と頼むと、
- シートを読む
- 不備を見つける
- 連絡文を作る
- 送る
みたいな流れを組み立てて実行するイメージです。
3. 管理職・リーダー視点:効率化より「仕事の形」が変わる
Opalの導入は、単に早くなるだけじゃありません。
仕事の分担そのものが変わります。
例:営業支援がどう変わる?
- 従来:メール確認→履歴検索→資料探し→返信作成(30分〜1時間)
- Opal導入後:メールをきっかけに、履歴と資料を集めて返信ドラフトまで作成→人は確認と承認だけ(5分)
こうなると、人の役割は「探してまとめる」から、最終判断と相手への気持ちのこもったやり取りに寄っていきます。ここが大きな変化です。
4. 便利な裏側の注意点:ルール作りと、使いすぎ防止
便利になるほど、別の悩みも出ます。ここは最初から意識しておくと安心です。
① 似たツールが乱立する
誰でも作れると、社内に似たような自動化が増えがちです。古いルールのまま動くもの、作った人がいなくなって放置されるものも出てきます。
対策:社内で「公式に使ってOKなもの一覧」を作り、動作確認済みだけを共有する運用が現実的です。
② 無料でも「運用コストは出る
Opal自体は試せる状態ですが、何でも自動化しようとすると「確認の手間」や「回しすぎ問題」が出てきます。
たとえば、重たい処理を何度も走らせると、動作が遅くなったり、上限に引っかかったりすることも。
なので、最初は毎日回すより「週1の棚卸し」みたいに、小さく回して様子を見るのが安心です。
5. 本格導入する前に:ざっくりチェックリスト
最後に、Opalが向いているかを見極める5項目です。
- データがGoogle Workspaceにまとまっている
- ルーチンだけど、判断(Yes/No)も混ざる仕事がある
- アクセス権の考え方をAIにもそのまま反映したい
- ツール代だけでなく、時間コストも削減対象として見られる
- AIを「検索」じゃなく「仮想の部下」として扱える
まとめ:AIが動きやすい「仕事の形」を作れる人が強い
Google Opalが広がると、マネジメントの前提も少し変わってきます。「人を管理する」だけじゃなく、AIが最適に動く業務の流れを設計できるかが効いてくるからです。
AIアプリを自作するのは、単なるスキルアップというより、仕事を見直して作り直す行為に近い。
だからこそ、まずはいちばん定型的で面倒な業務を1つだけ選んで、そこからエージェント化してみるのがおすすめです。