「来月からDX推進担当になってほしい」
ある日、上司や経営者からそう言われた。しかし、DXについて何か学んだわけでもなく、IT部門の人間でもない。
「何をすればいいのか」が全く見えない・・・。
こういう状況に置かれる方は、中小企業で意外と多いです。
DX推進担当に任命されたとき、最初の3ヶ月でやるべきことを整理します。
まず、「DX」の定義を自分の会社に合わせて決める
「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉は広すぎて、最初は何を指しているのか分かりにくい。
大企業のDXと、宮崎の中小企業のDXは別物です。
大企業が言うDXは基幹システムの刷新や全社データ統合の話ですが、中小企業が最初にやるべきことはもっとシンプルです。
「紙の書類を1つ減らす」「今より30分早く仕事が終わる仕組みを作る」
それがDXの第一歩で十分です。
最初に「うちの会社のDXとは何か」を、自分の言葉で定義してみることが出発点になります。
最初の1ヶ月:現場の「困りごと」を集める
DX推進担当がやりがちな失敗は、「まず良さそうなツールを探す」から入ることです。
正しい順番は逆で、現場の困りごとを先に集めるのが鉄則です。
社内の各部署・各担当者に「今の仕事で一番面倒だと感じることは何ですか?」と聞いてまわる。
アンケートでもいいし、個別に話を聞くでもいい。
出てきた声を書き出して、「どれが一番解決したら効果が大きいか」を考えます。
ここが推進担当として最初に価値を出せる場所です。
2ヶ月目:1つだけ解決して、成功体験を作る
困りごとが集まったら、その中から最も簡単に解決できそうな1つを選んでください。
「全部一気に解決しよう」は禁物です。
最初の取り組みが失敗すると、社内のDXへの空気が一気に冷えます。
小さくて確実な成功を1つ作ることが、その後の推進を大きく楽にします。
たとえば「毎週の業務報告が紙で行われており、集計に手間がかかっている」という困りごとがあれば、Googleフォームに置き換えるだけで解決します。
費用0円で、設定に2時間もかかりません。
この「小さな成功事例」を社内に共有することで、「DXって案外できるんだ」という空気が生まれます。
3ヶ月目:うまくいったことを仕組みにする
1つの成功体験ができたら、それを「偶然」で終わらせないことが重要です。
「困りごと→ツール選定→試験導入→評価→展開」というプロセスを、次の課題でも繰り返せる形にしておく。
このサイクルを回し続けることが、DX推進担当の本来の仕事です。
大きなシステムを入れることではなく、小さな改善を継続的に積み重ねること。
社内の抵抗をどう乗り越えるか
「今のやり方で問題ない」「新しいことを覚える時間がない」
こういった抵抗は必ず出てきます。
対処法は、強制ではなく「一緒に試す」姿勢で進めることです。
「これを使いなさい」ではなく、「一緒にやってみませんか?ダメだったら戻せばいいので」というスタンスで、協力的な人から少しずつ巻き込んでいく。
最初から全員の同意を取ろうとすると、何も動きません。
まず動いて、結果を見せる。これが現場でDXを進める現実的なやり方です。
外部のサポートを使う選択肢
DX推進担当を一人で抱えるのは、正直しんどいです。
社内に相談できる人がいない、何が正解か判断できない、そういう状況になりがちです。
宮崎県の産業DXサポートセンターに無料相談する、地元のフリーランスや専門家に月次で相談する、といった外部サポートを使うのは正しい判断です。
当社でも、中小企業のDX推進担当の方の壁打ち・相談を承っています。
「今ここで詰まっている」という段階でも大丈夫です。
まとめ
DX推進担当に任命されたら、最初にやること:
- 1ヶ月目:現場の「困りごと」をヒアリングして書き出す
- 2ヶ月目:最も簡単な1つを解決して成功事例を作る
- 3ヶ月目:成功したプロセスを仕組み化して次に備える
大きなことは後でいい。まず小さく動いて、社内に「DXは難しくない」という空気を作ることが最初の仕事です。